Thursday, January 31, 2013

On the Road



あのフランシス・フォード・コッポラが長年温め、やっと完成/公開した映画。それもそのはず、「路上」という50年代の伝説的な小説(ヒッピーたちのバイブルと呼ばれ、聖書の次にアメリカで売れた本!とまで言われた作品。そんなはずはないんだけどw。)。観てきました。

10代の時に自分もその原作にはまり、それがアメリカに行くきっかけの一つになったとも言えるもろ青春小説。それ以来、20代前半くらいまでで10回位は読んで、映画化すると聞いて複雑な気持ちになりつつも、ずっとどうなるか気にしてたのです。原作が長いのと、作者のケルアックがベンゼドリンをやりながら不眠不休で一気に書き上げたため話しの筋があっちこっちしてしまうため、そしてあまりにも原作/作者のカリスマ性が高いため、映画化しても絶対こけてしまうだろう、と。

で、もっと個人的な事を書くと、それからインスパイアされた自分の新しい世界が始まって、その自分の経験からインスパイアされたのが、未だに映画化できずにいる、長編「オフ・ザ・ルート」だったのです。今考えると、タイトル微妙に被ってるね(笑)。実現するにはあまりにもお金がかかりすぎるのと、ビジネスプランの甘さ、自分の経験/キャリアの浅さのせいで撃沈。今は横に置いて、あせらずそのタイミングが来た時に一気に作ろうと準備している次第です。

話しはいきなり逸れたけど(汗)、キャストは、サム・ライリーとギャレット・フッドランドという、まだ若くて、大作にもそれほど出てないけど今後に期待の演技派2人と、脇を有名なクリステン・スチュワート、ヴィゴ・モーテンセン(オールド・ブル・リー=バロウズ役)、テレンス・ハワード等が固め、みんな瑞々しい演技。そういや最初に映画化のニュースを読んだ時(7年くらい前)のキャスト:主役2人はエドワードノートンとブラピになるとか、ポップに景気のいい話しでした。でもこっちのキャストの方が色んな意味で正しいなあと勝手に一人で納得したり。

上記のように、それだけ自分にも思い入れがあるだけに映画そのものは、がっかりする覚悟、愛憎まみえる覚悟で観たのだけど、さすがウォルター・サレス監督、きっちりまとめつつも、「路上」のソウルをしっかり描いていたと思う。もちろん不満な原作ファンも山ほどいるだろうけど、それだけのプレッシャーの中、真摯にベストなものを作ってくれたなあと。ジャズ。混沌。狂乱。窓の外に流れる巨大な景色。埼玉の団地の少年が想像で浮かべてたアメリカの魂そのもの。
ある意味とても忠実だったと思います。(なので驚きもなかったのだけど)

最後は、とても切なかった。原作とまったく一緒ではなかったけど、でも「そうなんだよな」とオレは一人でつぶやいてしまった。「It」は永遠に続きはしないものだと気付いてしまう。

ちなみに個人的に嬉しかったの450ページ(文庫本)くらいある小説の中で、オレが一番好きだった1行:

ぼくの性に合う人といえば、それは気狂いじみた人間で、生きる為に狂い、話すために狂い、救われようがために狂い、一度に何もかも望む人間であり、決して欠伸をしたり平凡な事をいったりせず、星の群をよぎる蜘蛛のように、炸裂する黄色いローマ花火のように、ただ燃えに燃える人間だけなのだ。−P14 

がキャッチコピーで使われていた事。あとツイッターで映画観たことつぶやいたらアルフレッド役(ヒッチハイカー)の俳優が返信くれて、さらにクリステン・スチュワートがそれをリツイートしてた事も!(笑)2013年ぽい!

それよりも気になってしまうのは、この映画がどれだけ売れるんだろう、とまたつまらない事を。今のアメリカの若者にこの世界観がどれだけぴったりくるんだろう、と。さらには日本で配給つくのか?とか。今の日本の10代/20代前半にどこまで伝わるんだろうか。未知なる外の世界に出て行くドキドキ感。知らない街で知らない人とつたない言語で心が通じ合う新鮮さ。色んな良くないもので体を汚しながら夜通し踊り狂えるエネルギーと好奇心。

そういえば、自分の映画「オフ・ザ・ルート」の製作に奔走していた時に、時間をとって会ってくれた多忙な一流IT企業の社長に、ストーリーを説明したら「今時ロードムービーなんて売れない。だってGoogle ストリートビュー見ればどこだって行った気になれるんだもん。」と。現実とデジタルは違う、と正直少し憤ったのだけど、今の時代案外そんなもんなのかもしれない。

何かほとんど個人的な話しで映画そのものの感想じゃ無くて失礼!そんな視点で観てしまいました。とにかく映像よし、音楽よし、キャストよしです!


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